「マルタ・アルゲリッチ 室内楽の夕べ」(1月30日)
マルタ姐は風邪のため今回の来日の前半のスケジュールをキャンセル、そのかわりということで急遽決まった演奏会。共演者もカプソン兄弟から日本の演奏家に交代。マルタ姐に食われたかもしれない被害者との会から、おばさん(失礼)の会になった。
衝動的に画面でポチッとしてしまい、サントリーホール(大)へ出かける。
曲目などは次のとおり。
ハイドン:ピアノ三重奏曲第25(39)番ト長調Hob.XV-25
シューマン:ピアノ四重奏曲変ホ長調op.47
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調op.49
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
ヴァイオリン:堀米ゆず子
ヴィオラ:リダ・チェン
チェロ:山崎伸子
ちなみに、リダ・チェンはマルタ姐の長女でプログラムのプロフィールによると、ジュネーブ音楽院を出て演奏活動は特にしてないらしいが、ママンの室内楽演奏会でヴィオラを弾いたりしてるとのこと。
最初のハイドンは軽快な曲想を上手く活かした演奏。さすがに室内楽経験豊富な奏者による演奏と感心。
シューマンはあまり言いたくないが、マルタ長女は他の奏者と競演するレベルにそもそも達していないのが残念。音量がなく、また強い個性を感じさせるものではないので、第2ヴァイオリンがない編成もあり内声部が薄く、また時々あるソロもはっきり言ってきこえない。他の3人が熱演だっただけに残念。妙な意味でマルタ姐も人の子だったと感じさせられたのであった。
音楽には全く関係ないが、リダ・チェンは長身で堀米、山崎両氏が小柄なのと対照的。マルタ姐の第一回の結婚は音楽には関係ない中国人とらしいが、その中国人が長身だったのだろうか。長女だからいい年してるのだろうが、表情が子供っぽく(あどけないではなく)、またステージではよく言えば和やかかもしれないが、不安そうにママンの顔を見たりして、ステージ衣装も日本の中学生の制服みたいな木綿の白いブラウスにデザインに凝った黒いロングスカートとちぐはくで、ママンがいなくなったあとこの人大丈夫だろうかと心配にもなった。
後半のメンデルスゾーンは特に山崎伸子のチェロ、特に歌い込み方が聴きものだった。堀米ゆず子はマルタ姐と競演の機会もあるが、山崎伸子はおそらく始めてだろう。ぐいぐい引っ張るマルタ姐に負けず劣らず、自分らしさを出しておりそれがまた対話になっているのがよかった。「おばさん」と上で書いたのはもちろん敬意を込めて、若手のルックス優先の日本女子演奏家の皆さん、もっとがんばってください。
アンコールはリダも出てきて、ベートーヴェンのピアノ四重奏曲より第1、第3楽章。
脳天から出るような声で「ブラボー」と叫んでいる女性の声がコワかったです。