出張から帰り土日コンサートに行ったり、野暮用をかたずける予定だったのだが、金曜日深夜から体調が悪くなり、土日はめずらしく食事もとれずベッドの上でのヒキコモリ生活。
たまったテレビの録画などを見る。
[その1]
○N響演奏会(第1545回 2005年6月 A定期公演、7月2日)
ブラームス: ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調
フランク: 交響詩「のろわれた狩人」
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」 [1919年版]
ネルソン・フレーレ (ピアノ(ブラームス))
アンドレイ・ボレイコ指揮、NHK交響楽団
フレーレも1944年生まれだから、もう還暦ということになるわけで、風貌はオジさんというよりおじいさん。
演奏も悠々泰然、叙情性優先という感じで、この曲を書いた若いブラームスの疾風怒濤のパッションを全面に出してないとヤダという向きには受け入れにくい演奏。キラキラしたパッセージはさすがだと思う。
フランクの曲は恥ずかしながら、この曲だという意識をもって聴くのは初めてだが、やたら金管楽器が咆哮していて金管奏者は大変だと思うが、この曲について言えば目立つ破綻もなく安心して聴けた。曲自体は「?」。金管楽器をやる人ならやってみたい人もいるだろう。
火の鳥は、デュトア効果の遺産もあってか、曲に素直に浸れた。
[その2]
○N響演奏会(第1544回 6月B定期公演、6月22日, サントリーホール)
ボロディン: 歌劇「イーゴリ公」 から「ダッタン人の踊り」
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
タン・ドゥン:「ザ・マップ」―チェロとビデオとオーケストラのための協奏曲 [2003]
アンシ・カルットゥネン (チェロ、3曲目)
タン・ドゥン指揮、NHK交響楽団
前半は有名曲を入れないと、お客が来てくれないからだろうが、自作以外の指揮に習熟しているとは思えないタン・ドゥンに振らせる意味があったのか疑問。しかも、音楽に詳しくない人にもわかってしまうような傷があって(特に「ロミオとジュリエット」のフルート)、少々不安になる。
「マップ」は、演奏に先立ち作曲家からトークがあった。
主旨は、
・中国湖南省に生まれ、その原風景を懐かしくそして大切な意識として持っている。
・そうした中国の地方独特の伝統や風習が失われていくことをさびしく思っている。
・だからこそ、地方文化や伝統と現代の西洋音楽を融合させて作品として残し、古来からの文化を次世代に伝えたかった。
・伝達手段として伝統楽器の演奏をビデオで上映し融合する手法を選んだ。
というようなこと。
カルットゥネンの上手さは楽しめたし、ビデオで上演された少数民族の画像はとても興味深かった(というかこれだけで見たい!)、曲としては少々アイディア倒れのところも。ビデオとチェロ独奏の「競演」は、やっぱり不自然。音楽そのもので勝負してほしい。
[その3]
○N響アワー - 名演奏プレイバック ~パリの知性・ロンドンの気品 ふたりの女性ピアニスト -
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271
アンヌ・ケフェレック(ピアノ)、アラン・ギルバート指揮(1998年4月23日)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466から 第2、第3楽章
イモジェン・クーパー(ピアノ)、ホルスト・シュタイン指揮(993年11月11日)
ケフェレックの先生もブレンデルだったとは池辺先生の話で、初めて知った。
演奏として文句なしに楽しめたのはケフェレック。音色、リズム、テンポなど計算し尽くされているが、計算されていないようにきこえるのはさすが。「モーツァルト弾き」とされている女流ピアニストには、単にテクニック不足を言い換えただけじゃないかというのもいるが、ケフェレックの場合は美しいだけでなく強靭でもある。
芋じゅん、じゃなくてクーパーはブラームス寄りというか「重い」演奏。曲がK.466ということと、指揮者の影響もあるのだろうが。