雑誌編集部のチェック能力は
店頭の「レコード芸術」4月号の表紙を見ると、
[新企画]吉田秀和「之を楽しむ者に如かず」
と印刷されている。
休載していた仕事の再開か、元気になられたのかと思い手に取ったが、びっくり。
なんと、パトリス・シェローの演出、ブーレーズの指揮によるバイロイト音楽祭の「リング」登場が、「1968年の夏で、例のパリの学生たちの五月革命を筆頭にドイツ各地でも若者たちの「反乱」の火の手が燃えさかっている最中」になっちゃっている(正しくはもちろん1976年、文脈からするとただの誤植ではないようだ)。
そういう時代精神の洗礼を受けた演出家ということは言えるかもしれないが、バイロイト初登場は間違い。
書いた人の責任でもあるが、うっかりは誰にでもある。「レコード芸術」編集部はこれをチェックする能力がないのか、わかってはいたが間違いを指摘できないのか。前者だとしたら怠慢、能力不足だし、後者だったら偉い大先生を祭り上げているようで実は大恥をかかせている行いでしかない。
前から大宗を占める外部執筆者原稿のチェック能力に疑問を持ってはいたのだが、これを見て最近ずっと買っていなかったが、もう買うことがないような気がしてきた。